筆界特定制度

筆界特定制度とは
土地の所有権登記名義人等の申請により、法務局の筆界特定登記官がその土地の現地における筆界の位置を特定する行政制度です。筆界に関する紛争の予防、早期解決、登記所備付地図の整備などに役立っています。


筆界特定制度の特徴
行政の判断
土地の筆界について、裁判所ではなく、筆界の認定に必要な資料を保有する行政(法務局の筆界登記官)が外部専門家(筆界調査委員)の調査・意見を踏まえて判断するものです。
高い専門性
土地の筆界という専門性の高い問題にかかわるため、専門的知識による判断が必要です。筆界特定登記官は筆界認定の知識・経験が豊富な登記官が指定されており、外部専門家である筆界調査委員には、表示に関する登記の専門家である土地家屋調査士も数多く任命されています。
紛争の予防、早期解決のための手続
筆界特定は公的機関が公正・中立的な立場から筆界について判断するもので、社会的な通用力があり、紛争を予防、早期解決する役割を果たしています。
簡易迅速性
裁判に比較してより簡易迅速な手続です。効率的な運用と迅速な処理を図るため、各法務局または地方法務局ではそれぞれの実情にそった標準処理期間が定められています。
一定の手続保証
筆界特定制度には、当事者の納得が得られるように、申請人・関係人に意見および資料の提出、測量・実地調査への立会い、資料の閲覧等が認められており、さまざまな手続保証の下で進められます。

筆界特定制度の意義
筆界特定制度は、土地をめぐる紛争の前提となる筆界の位置について、筆界特定登記官が判断を示す制度であり、判決のような拘束力はありませんが、行政機関として一定の判断を示すことにより、迅速な紛争解決の基礎を提供します。
また、土地家屋調査士会による境界問題相談センターとの連携により、所有権にかかわる境界紛争も裁判に至らずに解決する可能性もあります。さらに、最終的に訴訟になった場合も、筆界特定の結果がその後の訴訟における争点整理等に重要な機能を果たすことにもなります。

            
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